不安を夢に変える仕事。<br><新潟医療福祉大学 五十嵐 紀子> - 介護専門家コラム

不安を夢に変える仕事。
<新潟医療福祉大学 五十嵐 紀子> - 介護専門家コラム

介護専門家コラム

不安を夢に変える仕事。
<新潟医療福祉大学 五十嵐 紀子>


どのようなことをする仕事なのかわからないのに、将来就きたい職業として公務員を挙げる子どもや、子どもに公務員になってほしいと願う親が多いそうです。職場体験に代表されるような職業観を育む教育を特に受けてこなかった世代の私は、今の子はしっかりしているなぁ、と感心しつつも、大人になったらなりたいものが忍者・魔法使い・宇宙人など、もはや職業ではなく、憧れのイメージに夢を膨らませていた子どもの頃を思い出し、ふとさみしくなってしまったりもします。最近は、子どもが将来就きたい職業としてユーチューバーが上位にランクインしたことが話題になりました。それを知った時、最初は驚いてしまいましたが、それと同時に、楽しさより安定を求める子どもばかりじゃなかったことに少しホッとしました。楽しそうに活動している姿を見て、それに憧れることはごく自然なことですし、人生を楽しく過ごしたいと願うことは何より大切にしたい生きるための原動力ですから。

本学で学ぶ学生たちは日々の授業に課題、試験、実習、資格を取るための勉強に就職活動…夢や憧れよりも不安の方が多い学生生活かもしれません。ですが、その不安をかき消すくらい楽しそうに働いている先輩の姿は学生たちの励みになります。また、楽しいだけでなく、様々なことと葛藤しながらも利用者のために難しい課題に挑み、悩む姿はとても生き生きと頼もしく見え、憧れを抱くようです。オープンキャンパスでは、卒業生が自分の仕事について語ってくれます。その姿は、教員の私から見ても本当にカッコイイ。彼ら彼女らを生き生きさせているものは何なのかを知りたい、自分もいつかそこに参加したいと思えるからでしょう。
最近よく思うのは、不安と夢は表裏一体ではないかということです。生まれた時から不況の世の中しか経験をしていないミレニアル世代は、漠然とした憧れだけの世界で夢を追うことはできないことを知っている現実派です。ですが、不安を夢に変えようとがんばっている先輩に出会うこと、その先輩に憧れ、自分も参加したいと思える経験を持つことで、これからの人生が豊かになり希望が湧くのではないでしょうか。
かく言う私は無類の猫好きで、猫ファーストな毎日を送っています。勤務する大学にねこ部を作ったり、保護猫を飼う選択肢を広める地域活動に参加したり、猫イベントの企画に関わったり … 。猫がいる からこそ生まれる様々な人とのつながり、そのネットワークの中で広がるアイデア、生まれる新たな取り組みの多くがワクワクを生み出し、私の人生を豊かにしてくれています。我が家には、現在4歳になったばかりの愛猫2匹がいます。毎日愉快に過ごしていますが、災害時にこの子たちを守れるだろうか、自分自身にもしものことがあったらその時の備えは十分だろうかと心配になることが最近増えています。

私がボランティアでお手伝いしている保護猫カフェには、急病で倒れた一人暮らしの飼い主さんの家に取り残された猫がいます。とても穏やかで甘えん坊な様子を見ていると、飼い主さんはさぞかしかわいがっていたのだろうな、その子を残して逝かなければならなかったとは無念だろうな、と思いを重ねてしまいます。また、ペットがいるからと施設への入所や病院への入院を拒んでいるといった人の話も少なくありません。そのようなことは、誰か特別な人だけの問題ではなく、備えがなければ誰でも陥ってしまう可能性のあることなのです。だからといって、大好きな猫との暮らしをあきらめたくはありません。
私には夢があります。高齢になって介護が必要になってもペットと暮らし続けることができ、みんなでお世話をしながら暮らす施設に入居することです。ですが、そのような施設は新潟にはありません。ないなら、作りたい。ペットを病院に連れて行ったり、フードやトイレ用品などを買いに行ったりということを一緒に、あるいは代わってやってくれるスタッフがいる。入居者同士で簡単なお世話なら手を貸し合う。日常的にペットがああした、こうした… という話 に花を咲かせ、膝に座る猫をなでながらお茶の時間をみんなでゆったりと過ごす。譲渡先がなかなか見つかりにくい高齢の保護犬を引き取って、みんなでお散歩をするなどのお世話をする。ねこグッズなどオリジナルグッズを作って、施設で定期的にねこマルシェをする… などなど。考えれ ば考えるほど、ワクワクしてきます。
先日、ペット関係の専門学校に通う学生さんたちとお話しする機会があり、そのようなとめどない夢を語っていると、ペットのお世話について学んだ人が介護も学び、そこで働いたら良いのでは?という話に展開しました。不安を解消するためのアイデアを出し合ううちに、それが夢のある話になり、高齢になっても施設に入ることが不安ではなく楽しみに思えてきました。

新潟医療福祉大学 准教授 五十嵐 紀子 【介護のコミュニケーション~よもやま日記~】 http://www.kaigogoyoukiki.net/specialist/igarashi/


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