転職する前に考えて欲しいこと。

介護専門家コラム

1 1.転職を考えたら…
2 2.ユニットケアか従来型か。
3 3.噂をまともに信じないこと。
4 4.たくさん聞いてみる。

1.転職を考えたら…

多くの介護現場を見てきて、ここなら就職してもいいかな、とか、ここはまずいぞ、と思える施設があります。
私が転職の相談を受ける際にいつもすすめていることは、『見学』です。普通の企業で見学などというものを気軽に受け入れるところはないと思いますが、介護業界は、見学できるところが多いのです。
なんだか、甘いような、見学して何がわかるのか、と思うこともありますが、せっかくですので、ぜひ一度検討している事業所には見学をすることをおすすめします。特に入所系の介護施設は、雰囲気や設備など施設によって大きく違います。経験がある人なら、前職との比較ができますし、未経験でも、何か所か見学して、施設ごとの違いがわかるだけでも、自分が働くイメージがしやすくなると思います。

2.ユニットケアか従来型か。

ユニットケアとは、個室で、リビングという共有スペースがある施設を言います。
従来型とは、主に４人部屋で構成される施設です。
比較的新しい介護施設はほぼユニット型です。個室を好む高齢者が増えてきたている、ということらしいですが、個室を寂しがる高齢者も多いと聞きます。
介護の面白さは、ユニットケアにも、従来型にもあります。古い介護施設だから悪い、新しいほうがイイ、ということはありません。実際にデータを取ったわけではありませんが、従来型の方が介護技術のスキルは上がりやすいのです。私自身も従来型を経験したおかげで今の指導者としてのスキルがあると思っています。
経験してみなければわからないこともたくさんありますが、そういったことも含めて、雰囲気だけでも感じるためにまずは見学をおすすめします。

3.噂をまともに信じないこと。

「あそこは良くない。」「あそこは虐待で新聞に載った。」「あそこは給料が安い。」「あそこは人間関係が悪い。」
例えば、こういった噂があったとしても、それが本当であるかどうかは分かりませんし、自分が働いたときにその情報が当たっていたとしても、影響がないことも多いのです。
特に人間関係は、人によって関係性は変わりますので、噂はあてになりません。私は人間関係が悪い、と噂されていた介護施設の方が居心地が良かったことが多いです(笑)
または、虐待事件の多くはそのほとんどが職員個人の問題であるケースがほとんどであり、ニュースで言われているような、施設の問題とされることは、ほとんどありません。
虐待を発生させてしまった反省はあるにしても、直接的な要因として介護施設の問題ではないと私は考えます。むしろ、注目された介護施設は、かえってしっかりとした対策を行っているはずです。
私自身、あまり評判が良くない介護施設に勤めていましたが、実際は、非常に楽しく、毎日いろんなことが起きて、プロとして学べることはたくさんあった施設で、そこにお世話になったことは今でも感謝しています。だから噂だけで判断するのは、もったいないと思います。

4.たくさん聞いてみる。

経営者、管理者の影響は絶大です。できたら、その本人と会ってお話ができることがいちばんだと思います。
そして堂々と、今までの仕事でやりたかったこと、できなかった理由、自分の弱さ、こんな私でも務められるのか、今の事業所の問題課題は何か、それに対してどのような対策をしているのか、私をしっかり育ててくれるのか？などなど、具体的なことをたくさん聞いてみてください。
ただの見学だけで「いつから来れますか？」とすでに就職決定のような話を進めていくところは、きっと就職してから後悔することがあると思いますので気を付けてください。
私が以前勤めていた会社に、尊敬する上司がいました。初対面で「あなたの部下になるなら、仕事はこだわらない」と、その会社への就職を決めました。今もたまに連絡を取っていますが、その上司がいつも言う言葉があります。「お前を安く買うようなところに行くな！」と「判断に迷ったら、かっこいいことをしろ！」です。
転職は自分の人生を高めるためにあります。皆さんもぜひ、自分の人生を良くするための転職という気持ちで、かっこいい選択をしてください。