介護教育者へのすすめ - 介護専門家コラム

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介護専門家コラム

介護教育者へのすすめ

岡田史 一般社団法人新潟地域福祉協会理事長

 

介護の仕事をしていくなかで、利用者が自分にかけてくれた言葉から得た喜び、職員が一緒になってプログラムを考えて行った行事の達成感、このような経験があるからこそ「介護はやめられない」と思っているあなた、このような経験を介護の魅力として伝えてみたいと思いませんか。

 

今、介護を目指して学習している皆さんが求めているのは、しっかりとした経験をもった講師と接することにより、自分の介護を見つめ高めることなのです。

 

今回は、そのような実践をもつ皆様のこれからの選択肢として、介護福祉の教員の道を紹介したいと思います。

 

私は現在、新潟地域福祉協会の講師として、実務者研修の「介護過程Ⅲ」のスクーリングを担当しています。これまで、特別養護老人ホームの介護職員として26年間介護の仕事に従事し、その後、大学にて介護福祉士養成教育の介護教員、4年前から本研修の講師として活動をしています。

 

介護教員になるには、介護福祉士の資格を取得した後、5年間の介護職員としての実務経験と介護教員講習会300時間を受講する必要があります。私は、平成16年度に退職願を提出すると同時に講習会の申し込みをして、準備にとりかかりました。関東地方で行われる講習会に何回かの泊りがけで受講しました。

 

講習会の内容は、

 

①基礎分野「社会福祉学など」60時間

 

②専門基礎分野(一般的な教育に関する科目)「教育学」「教育方法」「教育心理」「教育評価」90時間

 

③専門分野「介護福祉学」「介護教育方法」「学生指導・カウンセリング」「実習指導方法」「介護過程の展開方法」「コミュニケーション技術」「研究方法」150時間

 

合わせて300時間です。

 

私の場合、基礎分野や専門基礎分野の免除科目もありましたので165時間でしたが、この講習会の内容はこれまで体験したことのないものでした。

 

義務教育や高校の教員であれば、大学卒業後教員採用試験に合格することで教員として教育の場に身を置くことができますが、介護教員の場合は、資格取得後、定められた実務経験(5年間)と講習会の受講が必須となっています。具体的には、介護福祉士として介護を実践し、講習会受講によって、その実践を理論化し、かみ砕き、伝え、引き出し、評価するという一連の教育課程にのせる力が求められてるということです。

 

講習会のなかで、介護福祉士養成教育のカリキュラムを検証し、科目のシラバスや授業計画を作成、そのなかでどのような教育方法を用いるのかをグループのなかで議論してまとめて、代表者が模擬授業を行うという内容が繰り返されました。「ブレーンストーミング」「バズセッション」「KJ法」「ロールプレイング」「PBL(問題解決型学習)」など、これまで授業といえば「講義」というイメージが強かった私には、大きな価値観の転換を迫るものでした。

 

これらの学習方法は、相手を信頼してこそ効果が上がるものですので「アイスブレーキング」(導入時の雰囲気作り)も大切です。授業中は静かに黙って話を聞くというスタイルから自分たちが発言し活動するという方法は、これからの介護のあり方も示唆していると思いました。

 

現在、「介護教員講習会」とは異なりますが、講習会で学んだことや、活動してきたことを伝えたいと「実務者研修教員講習会」を開催しています。「実務者研修」は、実務を3年間経験することで介護福祉士国家試験を受験する人が受講しなければならない研修会です。その研修会のスクーリング科目である「介護過程Ⅲ」の講師を担当する人に受講が求められている講習会です。講師として実習指導者講習会修了者も担当できる条件になっていますが、「介護過程」を指導するということでの共通点はあるものの、次の表のような内容を学ぶということで、より介護教育としての専門性が高いものになっています。

受講料 70,000円+テキスト代

新潟市で開催を予定していますが、ぜひ多くの皆さんに受講をしていただきたいと思います。これからの社会は、新型コロナの影響もあって大きく変化することが見込まれています。介護の世界であっても例外ではありません。自らの学び考える力を高めるととも、新たな時代に羽ばたく介護福祉士をともに育てていこうではありませんか。

 

一般社団法人新潟地域福祉協会
〒950-0862 新潟県新潟市東区竹尾2-19-5 グリーンタウン竹尾 1F
TEL 025-288-5229 FAX 025-288-5228 Mail info@t-fukushi.jp
https://www.t-fukushi.jp/index.html

 

 

【プロフィール】
岡田 史
介護福祉士、介護支援専門員、日本語教師、アンガーマネージメントファシリテーター
修士(社会福祉学)、博士(保健学)
1978年より特別養護老人ホームや養護老人ホームの介護職を務める
1993年日本介護福祉士会及び新潟県介護福祉士会の設立に参画
2005年介護福祉士の養成教育に従事
現在は、一般社団法人新潟地域福祉協会の理事長として、実務者研修、実務者研修教員講習会等を開催

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