主任介護支援専門員によるコミュニティソーシャルワーク - 介護専門家コラム

主任介護支援専門員によるコミュニティソーシャルワーク - 介護専門家コラム

介護専門家コラム

主任介護支援専門員によるコミュニティソーシャルワーク

徳橋功晃(主任介護支援専門員 )

 

 主任介護支援専門員とは、地域の介護支援専門員の育成や支援にあたるため2006年に介護支援専門員の上位資格として作られた資格です。と、主任介護支援専門員のことを調べると出てきます。

しかしそれだけではなくて、地域課題の把握や解決に向けての取り組み、地域のインフォーマル資源の把握や開発に向けての取り組み等、コミュニティソーシャルワークに関する事柄も主任介護支援専門員の役割なのです。

 

主治医意見書をお願いしたら、次も同じ医師または同じ病院に主治医意見書を書いてもらわなければならない。介護支援専門員は市区町村が派遣してくれる。これは、今年になってから私が直接に聞いた話です。平成12年に介護保険制度が施工され20年経っていても情報が行き渡ってはいないのです。

 他にも「どのような状態になったら認定を受けることができるのか」「どこに相談したら良いのか」等という話はよく聞きます。情報を必要としている時、情報を必要としている所ほど情報が届きにくい。ということを強く感じています。

 
介護は突然に始まります。「巻き込まれる」という表現が合うように思います。突然に巻き込まれてしまう「介護」により、介護される側・介護する側の双方が混乱し、孤立していってしまうのです。介護のことを相談できる相手がいる人は幸いです。しかし、いざ介護が始まると、相談できる相手にも会えなくなってしまう。そのような方も少なくないのです。介護により孤立化してしまうと必要な情報を手に入れることができなくなり、日々の介護に忙殺され、疲弊しきっていきます。

 
日々の介護で追い込まれ、必要な情報も入ってこない。「なんで自分ばかり」「なんでこんなになった」と、暗い気持ちになり、自分で自分を追い込んでしまう。介護ばかりの毎日に、ある日「プツリ」と気持ちが切れてしまう。介護していれば、当たり前のように虐待はおきるのです。真面目に介護に取り組んでいる人ほど、孤立化し、追い詰められ、虐待につながります。虐待は誰が悪いでもなく、介護による孤立化が引き起こしてしまう切ない事象のように思います。

 

 

 介護でもなんでも「孤立してしまう」こと「情報を得られない」ことは悪い結果を生み出しやすいので、良くないと思います。孤立しなくて済むよう、情報を得ることができるよう「認知症カフェ」や「介護者の集い」「介護教室」などに参加してもらえるよう工夫することが大切です。

土日に開催されるもの、平日に開催されるもの、日中に開催されるもの、夜間に開催されるもの、介護施設や病院で開催されるもの、公民館や集会場、公共施設で開催されるもの等々、参加してもらいやすい工夫をする必要があります。

更に地区の民生委員や介護支援専門員が情報の届きにくくなっている方へ情報を届ける。用紙を渡して終わりではなく、面談し、言葉で説明する。ということが大切です。

 
どの様な状態になったら介護認定を受けることができるのか知らない人は多いです。要介護や要支援のほかに「総合支援事業」があり、ヘルパーさんと通所サービスの利用に限られますが、サービスの利用が可能となり、早期に介護サービスを利用できるようになった。などという情報を知らない人は多いと思います。

 
介護認定を受けると、畑仕事をやめなければならない。家族がいるのにヘルパーさんに来てもらうのは恥だ。デイサービス利用すると外出を控えるなど世間に遠慮しなければならない。などと考えてしまう人もいます。そのような方々にも情報を届ける必要があるのです。

 
問題の芽は、より早期のうちに摘むに限ります。病気でも同じことが言えますが、専門職の介入するタイミングが遅くなればなるほど、介入後の対応が困難となり、問題の解決に向けてのお金も時間もより多くかかってしまうのです。

 

災害発生時の避難にも同じことが言えるのですが、介護認定を受け介護サービスを利用する。「他人のお世話になる」ということを避けたい。先延ばしにしたい。介護認定を受けるまでになってしまった自分を、家族を認めたくない。など、災害発生時に避難し始める決断を鈍らせる正常値バイアスと同じような作用が働いてしまい、自分が我慢すれば、私が頑張れば、と我慢し、我慢させてしまう。介護認定を受け、介護サービスを利用する時期が遅くなる。そのうちに問題の芽が大きくなり、自分たちの手に負えなくなる。そのタイミングで相談に来られる方が少なくないような気がします。

 
ケアマネジメント業務が忙しく、他のことまでしている時間がない。コミュニティソーシャルなんてしなくても給付の減算にはならない。積極的にコミュニティソーシャルに取り組まない、参加しない理由は「今」しか見ていないところにあります。

 

今後、少子高齢化が、現状のまま更に進めばどうなるのか?介護職員不足が声高に叫ばれている中、我々は何を考え、どの様に行動する必要があるのか、何時から動き出す必要があるのか、皆さんは、どの様に思いますか?

 

介護支援専門員 徳橋功晃ブログ
http://www.kaigogoyoukiki.net/niigata/blog/006/

 

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